レポート「損益計算書」では、会社が本業の売上高はいくらか、どのような分野でどれだけ利益、損失を出しているかを分野別にまとめている。
また、上画面では収益/利益合計(黄色)、費用/損失合計(赤色)の推移を7年分(今年度+過去6年分)に渡ってグラフ表示され、どのように損益が推移しているかを把握するのに役立つ。
収益は主に入ってきたお金を表し、費用は主に出ていったお金を表す。ただし、ここで言う「お金」とは現金だけでなく金銭的価値のあるものすべてを指すので、実際の現金のやり取りと同じではない。後述のようにお金を払っても費用に計上されないことや、逆に減価償却費などのように実際にはお金を払っていなくても費用が計上されることなどが数多くある。
収益と費用は決して減ることなく蓄積されていき、決算時にリセットされる。収益から費用を引いたものを利益(マイナスのときは損失)と呼ぶ。特に収益と利益は意味を取り違えると大きな誤解のもととなるので注意。
今作の損益計算書は前作よりも項目が細分化されており、経営のより詳細な分析が可能になった。
また、今作の損益計算書では「総合的な収益・利益合計」「総合的な費用・損失合計」は記載されていない(グラフ表示で大まかな規模を把握するのは可能)。
前作では今年度及び昨年度の計算書が参照可能であったが、今作ではさらに過去の年度の計算書も参照できるようになっている。
損益計算書は以下の要素で構成されている。
収益/利益 | 費用/損失 | 概 要 |
売上高 | 売上原価 | 本業である鉄道・道路運送・路面電車・資源取引・子会社運営に直接関連する売上と費用 |
販売費及び 一般管理費 | 会社の営業活動費用のうち売上原価に含まれないもの | |
営業外収益 | 営業外費用 | 会社の営業以外の活動で得た収益及びかかった費用 |
特別利益 | 特別損失 | 会社の本業とは関係のない臨時的な利益及び損失 |
また、会社の利益性を表す指標として、以下のような集計項目が用意されている。
項 目 | 計算方法 | 概 要 |
売上総利益(売上総損失) | 売上高 - 売上原価 | 会社の本業の基本的な収益力。粗利とも呼ばれる |
---|---|---|
営業利益(営業損失) | 売上総利益 - 販売費及び一般管理費 | 組織運営も含めた会社の営業活動の成果 |
経常利益(経常損失) | 営業利益 + 営業外収益 - 営業外損失 | 会社が毎期繰り返して上げることが見込める持続的な利益 |
税引き前当期純利益(税引前当期純損失) | 経常利益 + 特別利益 - 特別損失 | 最終的に会社が今期どれだけの利益を上げられたか |
毎年決算時(3月31日)に、上記の「税引前当期純利益」に応じて法人税等が確定する。
この税金をさらに差し引いた額が最終的な「当期純利益(当期純損失)」となる。
決算時にこの当期純利益がプラスであれば「黒字決算」マイナスであれば「赤字決算」となる。
赤字決算になると会社のブランド力低下や社員のやる気低下など経営に悪影響はあるものの、赤字決算になるだけで倒産(ゲームオーバー)になったりはしない。
ただし、シナリオの設定や株式公開を目指すなどで黒字決算の達成が求められる場面は多々あるし、赤字決算がいつまでも続くようだと会社の資金が枯渇するのは時間の問題になる。
やむなく赤字決算になるにしても短期で押さえ、一刻も早く黒字回復できるよう努めよう。
例えば、「土地を購入し駅舎を建てた」時、資金は減るが、これはそのまま「費用や損失」には計上されない。
これは、資金という資産が土地・駅舎という別の資産に変わっただけに過ぎず、この時点では資産を失った(損失)訳ではないからだ。
(ただし、土地購入に際しての手数料や租税公課などは費用となる)
このように、「資産」は資金だけではなく他の色々な形を取っているので、
「線路を色々延伸して300億の金を使用したのに損益計算書では100億しか費用計上されていない」
という事が往々にしてありうる。
「過剰投資→出費の割りに費用が少なく法人税が莫大な額に→翌年手持ちの資金では税金を納められない」
という流れで頓死するケースは十分あるので注意しておいてほしい。
資産状況の把握については「貸借対照表」を参照。
会社が自社の営業活動(本業)で得た収益をまとめたもの。
「自社がどれだけ金を稼ぐことが出来るか」を見る上で一番基礎となる数字といえる。
鉄道事業での売上を集計したもの。
旅客列車の運賃収入、貨物列車の貨物売上、駅舎の構内売上の要素がある。
貨物列車が都市内の貯蔵場に資源を降ろしたときは同額の資源関連費用が発生し、総合的には利益にはなっていないことに注意。
適切に旅客列車を運行し、乗客の乗降需要を満たすことが出来れば売上を増加させることが出来る。
また、貨物列車で資源を適切に自都市内の消費地や隣街に運輸することが出来れば売上を増大させることが出来る。
道路運送事業での売上を集計したもの。
バスの運賃収入及びトラックの貨物売上の要素がある(経理部長は停留所の売上にも言及しているが未確認)。
トラックが都市内の貯蔵庫に積荷を降ろしたときは同額の資源関連費用が発生し、総合的には利益にはなっていないことに注意。
適切にバスを運行し、乗客の乗降需要を満たすことが出来れば売上を増加させることが出来る。
また、トラックで資源を適切に自都市内の消費地や隣街に運輸することが出来れば売上を増大させることが出来る。
路面電車事業での売上を集計したもの。
路面電車では貨物は扱えず電停での売上もないため、売上要素は路面電車の運賃収入しかない。
適切に路面電車を運行し、乗客の乗降需要を満たすことが出来れば売上を増加させることが出来る。
資源貯蔵庫の資源売却での売上を集計したもの。
前作(ADS)では鉄道売上で計上されていたが、今作では独立した項目になった。
資源の消費地が資源を消費(購入)したときに売上が発生する。
貨物列車/トラックが資源貯蔵場から資源を積んだ際にも発生するが、同額の鉄道/道路運送費用が発生しているので総合的には利益になっていないことに注意。
会社が保有している子会社の売上を集計したもの。
今作では資材工場は生産する資材とは別に立地によって売上が発生するようになった。
子会社の経営方針を「経費節約→バランス重視」または「バランス重視→売上追求」に変更すれば売上額を伸ばすことが出来る。
とはいえそれ以上に経費が増加する可能性があるうえ、今作では「経営方針変更自体に費用がかかるようになっている」ので注意する事。
会社が売上を上げるために直接必要とされる費用をまとめたもの。
売上高からこの売上原価を差し引いたものが「売上総利益」と呼ばれ、本業でどれぐらい利益がでているかの目安となる。同じ売上高でも原価を安く抑えられた方が利益は高くなるという事だ。
鉄道施設など運行費/運営費、資源の仕入れ費用などが該当する。
従業員の人件費はこの項目に(抽象化されて)含まれていると考えられる。
鉄道事業の運行にかかる費用を集計したもの。
列車の運行費、駅の運営費、貨物調達の要素がある。売上の発生しない貨物駅や車庫などでも運営費がかかるので注意。
都市内の資源貯蔵場から資源を積んだときは同額の資源関連売上が発生する。
列車の配置/撤去にも費用が発生する。
線路や駅舎の撤去時に撤去費用が計上される他、資源貯蔵場の撤去費用もこの項目で計上される。
乗客需要に応じ旅客列車の無駄な運行(深夜など乗降需要のない時間)を抑えることで費用を節約することが出来る。
さらに一部株式の優待獲得で費用を節約することが出来る。
鉄道事業の運行にかかる費用を集計したもの。
車両の運行費、停留所(車庫)の運営費、貨物調達の要素がある。
都市内の資源貯蔵庫から貨物積荷を積んだときは同額の資源関連売上が発生する。
バス/トラックの配置/撤去にも費用が発生する。
道路や停留所の撤去時に撤去費用が計上される。
乗客需要に応じバスの無駄な運行(深夜など乗降需要のない時間)を抑えることで費用を節約することが出来る。
さらに一部株式の優待獲得で費用を節約することが出来る。
路面電車事業の運行にかかる費用を集計したもの。
電停は運営費がかからないため、要素は路面電車の運行費のみとなる。
路面電車の配置/撤去にも費用が発生する。
路面軌道や電停の撤去時に撤去費用が計上される。
乗客需要に応じ路面電車の無駄な運行(深夜など乗降需要のない時間)を抑えることで費用を節約することが出来る。
資源貯蔵庫の資源購入費での費用を集計したもの。
資源貯蔵場が周りの生産地からの供給で満杯になるまでは自動的に生産量そのままが購入されることになり、費用は多大になる。
消費/売却の当てもないのに生産地周りに大規模な貯蓄場を設置すると購入費用が馬鹿にならなくなるので注意しよう。
また、資源の調達地と消費地との距離が離れていると貨物列車などの運行費が上乗せされる分費用が高くなってしまう。
子会社の運営費用を集計したもの。
子会社の経営方針を「売上追求→バランス重視」または「バランス重視→経費節約」に変更すれば経費を抑えることが出来るが、
子会社売上が低下してしまう上に、今作では「経営方針変更自体に費用がかかるようになっている」事に注意する事。
会社を運営するにあたって、直接的な原価以外に必要となる様々な営業費用をまとめたもの。
宣伝費や会社組織の維持/拡大(従業員の士気向上など)に使用された費用のほか、支払った(一部の)税金もこの項目で計上される。
売上高が売上原価よりも高く売上総利益が出ていたとしても、この販売費及び一般管理費を引いた結果損失がでるようでは、会社としては「本業で利益を稼ぐ事が出来ない」という事であり、よい状態とはいえない。
必要以上の出費は出来るだけ抑えたいところである。
売上原価以外で営業活動に使用した費用を集計したもの。
事業プラン(営業部拡大・人員増減・運賃増減・テレビCM・ツアー企画)の費用に加え、子会社の経営方針変更時にかかる費用が該当する。
従業員に支払ったボーナスを合計したもの。
毎年2回(7月25日と12月25日)支払われる通常ボーナスの他、事業プランで「特別ボーナス」を実施した時も計上される。
特別ボーナスに関しては業務負荷を適切に維持出来ていれば社員状況も低下せずプランを行わずに済むので費用を節約することが出来る。
会社の社員福利厚生に使った費用を合計したもの。
事業プランの「福利厚生」及び「社員旅行」を実行したときに計上される。
業務負荷を適切に維持出来ていれば社員状況も低下せず、プランを行わずに済むので費用を節約することが出来る。
土地や株式の売買を行ったときに仲介業者に支払った手数料を合計したもの。
土地売買では売買価格の3%、株式売買では売買金額の2%が手数料になる(株主優待未取得時)。
頻繁に売買を行うなら株主優待で手数料軽減を図ることも検討しよう。
子会社の撤去を行ったときの撤去費用もこの項目で計上される。
税金のうち損金(費用)として認められているものを集計したもの。
固定資産税(6月1日納税)が対象となる。
また、土地や建物を取得した際に、登録免許税と不動産取得税も租税公課として計上される(個々の買収時に取引明細の租税公課として表示される)。
法人税等は損金とは認められないため、残念ながら対象外。
会社の所有する土地を除いた固定資産は経年劣化(老朽化)していくので毎年一定の割合で資産価値を減少させ、その分を費用扱いにする。
その費用を減価償却費として毎年計上する。償却の割合は固定資産の種別によって異なる。詳しくは貸借対照表を参照。
固定資産のうち、土地は経年劣化しないので減価償却は適用されない。商品は長期間保有するものではないため適用されない。
研究開発費などに資金を使った際は、単年度費用ではなく一旦資産(繰延資産/研究開発費)計上し複数年に渡って費用計上し清算するようになった。
事業プランのうち「各種車両開発」「地下鉄道技術獲得/地下道路技術獲得」「技術供与」「地下資源調査」「新幹線誘致」が該当する。
上記のプランに使用した資金は5年間に分割して20%ずつ費用計上されることになる。
子会社メニューで「公共」の区分の物件(寺院や神社、公園など)を建築すると、その物件は建築開始時点で公共に寄付され、建物価格(及び土地取得も同時に行うなら土地価格も)が全額寄付金として費用計上される。
公共建築物の地価上昇効果が期待できる事も合わせると、節税目的で費用を増やすのに効果的と言えるかも?
※自社用地に公共施設を建築すると、土地を寄付し失っているにもかかわらず所有土地区画数・土地評価額総額が減らないバグを確認。
従業員の退職金に備え毎年積み立てる引当金。
従業員の数が増えるにしたがって金額も増加していく。
会社が本業以外で得た収益をまとめたもの。
毎年得られるものもあるが、あくまで副次的な収入である。当てにし過ぎるのはあまりお勧めできない。
毎年7月1日に会社が所持している他社の株式から得られた配当金を集計したもの。
同時に自社も株主に対して配当を支払うが、これは費用計上されない。
駅構内や車両内に掲載した広告から得た広告収入を集計したもの。
毎年5月20日、9月20日、1月20日の3回に渡って広告収入を得ることが出来る。(前作で事業プランで行っていたものが自動化された)
収入の規模は駅舎や車両の数や会社のブランド、時代・景気にも影響される。
行政の助成制度に基づき、指定の地区に指定の業種の建造物を建設すると得られる助成金を集計したもの。
助成制度の詳細についてはこちらを参照。
株券を購入時よりも高い値段で売却した時、評価額の差益額が計上される。
株式の売却時に支払う取引手数料は別の項目で計上されるので、売買の結果資金が減ってしまっても売却益は計上される。
会社の本業以外の活動で発生した費用をまとめたもの。
恒常的に発生するようなものではないので、この費用が一時的に大きくなったとしてもきちんと本業で収益を得られているならあまり問題ではない。
銀行からの融資を返済(繰上返済を含む)した時に利息分が費用計上される。
銀行融資の利息は定期的に払うものではなく、返済時に一括で払うルールになっているので、この項目が計上されるのは返済時のみとなっている。
株券を購入時よりも低い値段で売却した時、評価額の差損分が計上される。
株式の売買時に支払う取引手数料は別の項目で計上される。
会社の本業以外で得られた利益のうち、特に「臨時的に発生した利益」を表している。
繰り返し得られる収入とは言い難く、この項目が大きく利益計上されたからといって経営状態が良好になったとは言えない。
固定資産(土地、建物)を売却した結果利益が出た時に差益額が計上される。
固定資産売却益は経常的な利益(毎期繰り返し見込める利益)ではないため、営業外利益ではなく特別利益で計上している。
会社の本業とは関係のないところで臨時的に発生した損失をまとめたもの。
一時的な損失であるので、本業できちんと利益を出しているなら特別損失が多少発生した所で問題は少ないと思われる。
一方で毎年毎年多額の特別損失を出しているというのは好ましい状態ではない(無計画に線路などの敷設/撤去を繰り返すと特別損失が大きくなりがち)。
事前にしっかりとした計画を立て(セーブも忘れずに)、費用を少しでも節約するよう努めたい。
固定資産(土地、建物、列車などの車両)を売却した結果損失が出た時に差損額が計上される。
固定資産売却損は経常的な損失(毎期繰り返し見込める損失)ではないため、営業外費用ではなく特別損失で計上している。
固定資産(駅舎、建物、線路、資源貯蔵場など)を撤去処分し用地にした時に建造物の残存簿価(建設/購入時の価格から減価償却分を差し引いた価格)額を損失として計上する。
実際に撤去時にかかる費用は別項目で勘定される。
上記の収益・利益/費用・損失を集計し、結果総合的に会社が利益を得ているか損失を出しているかをまとめたものが「純利益」となる。
そのうち税金(法人税等)を差し引いていないものがこの「税引当期純利益」の項目で表示される。とりあえずはこの項目をプラス(黒字)にするのが順調な経営の目安となるだろう。
法人税の他に住民税、事業税も含まれているとの事だが、この項目でまとめて勘定している。
税引前当期純利益がプラスの場合は、その約半額が計上される。
税引前当期純利益がマイナスの場合でも僅か(80万円)だが計上される。
ほんと行政は酷い
3月31日の決算時で税額が決定されるが、実際に納税するのは次の年度の6月1日になる。
収益/利益・費用/損失・税金を全て集計し、最終的に「今年度どれだけの利益が上げられたか」を示す項目。
決算時にこの項目がプラスなら黒字決算、マイナス(当期純損失)なら赤字決算となる。
今作では税引前当期純利益/損失から差し引かれる税金は「法人税等」のみとなったため、
「税引前当期純利益がプラスなのに税金が差し引かれた結果マイナス(当期純損失)になってしまう」
という事態はあまり発生しなくなっている様子。
ただし同時に税引後の法人税を数億円程度に節税するのが非常に難しくなっているので注意。