目次 †
概要 †
参考ページ:http://dragonage.wikia.com/wiki/Orlesian_Civil_War
全体の概要 †
オーレイの内乱とは、女帝セリーン1世とその支配に不満を募らせていたギャスパール・ドゥ・シャロン大公との間で9:40にオーレイで始まった内戦のこと。
Mage-Templar Warが教皇ジャスティニア5世治下の教会、テンプル騎士、メイジを中心に巻き起こる事件であるのに対して、
時を同じくして起こったオーレイの内乱の方は女帝セリーン1世(とデイルズ)を中心に展開される事件だといえる。
背景 †
- 事の発端はセリーン主催の舞踏会でのこと。
フェレルデンの大使としてティーガン・ゲリンも招かれていた会場で、ギャスパール大公がフェレルデンのかつての女王モイラ(祝福の時代参照)の名を貶めるような行為にでる。ティーガンがこれに激高するや場の空気は一変。再び二国間で戦争になるのではという不穏な空気が流れた。
- ギャスパールがティーガンを怒らせたのは故意にである。両国の関係をこじらせることによってセリーンの立場を危うくしようとしたギャスパールの策略。
- もはや決闘で決着をつけるしかないと会場が緊迫する中、これに割って入ったのがセリーンだった。彼女はティーガンの決闘の相手としてSer Michelを指名すると、鳥の羽飾りを武器にするよう両者に命じたのである。怒りの形相のティーガンに対して、歴戦のシュヴァリエであるSer Michelが女帝の命令通り鳥の羽根をもって対峙する光景は、場の空気に笑いを持ち込んだ。こうしてその場は何事も無く収まったが、一部の貴族の間ではセリーンの応対に不満を持つ者もいた。Michelが手にした鳥の羽飾りがシュヴァリエのシンボルである黄色い羽飾りであったために、シュヴァリエの権威を蔑ろにされたと感じたからである。
- 編者注2:シュヴァリエ(Chevalier)について:http://dragonage.wikia.com/wiki/Chevalier
DAOをはじめ数々のDAフランチャイズにその名が登場するシュヴァリエとは、オーレイの軍隊の中でもエリートだけが所属できる組織のこと。
この一員になれるのは貴族階級に限られており、シュヴァリエの隊員のうち男性にはそのまま「シュヴァリエ」女性には「Dame」という称号が与えられる。またフェレルデンと同様に(有徳の時代参照)騎士の階級に属している者をオーレイでも「Ser」という敬称で呼ぶが、これはシュヴァリエに対してもあてはまる(参考)。現在シュヴァリエのトップに立っているのがギャスパール大公。
- セリーンがギャスパール大公と共に狩りに出かけた時のこと、ギャスパールがセリーンに求婚。
このままでは内紛の温床になりかねないギャスパールと婚約することで、内戦を回避しオーレイをより強固にするだろうことはセリーンも合点していた。しかし結局彼女がこの申し出を拒否すると、これに憤慨したギャスパールは短剣をつきつけ彼女に迫った。セリーンはこの脅しに屈することはなかったものの、この暗殺すれすれの行為を前に事を荒立ててギャスパールを逮捕させることもしなかった。もしここで彼を収監しても、ギャスパール以外の不安分子によって内戦が引き起こされてしまう懸念があったからである。
- この一件と時を同じくして、ギャスパールお抱えの吟遊詩人であるMelcendreがSer Michelを誘拐。
Melcendreの目的はこの女帝付きのシュヴァリエからセリーンの情報を引き出すことだったが、尋問を進めるうちに思いもかけない情報を入手する。それはこれまで貴族だと思われていたMichelの階級が偽りのものでしかも彼がエルフの血をひくという、セリーンのスキャンダルを探すMelcendreにとってこれ以上ないネタだった。しかしこの情報がギャスパールの元に届く前に、Michelは逃亡を図りその過程でMelcendreを殺すことに成功した。
- こうして内戦へ向け国内の緊張が高まる中、ギャスパールは自らの足場をより強固なものにしようと、サークル・オブ・メジャイの協力を得ようと試みる。そこでデイルズ経由で白の塔へ戻ろうとしていたウィンに接触しようとジェイダーに使者を送るが、ウィンはこれを拒否。この頃のメイジはMage-Templar Warを抱え内戦に関与する余裕などなかったのである。
- DAOでリオーダンが登場する時にちらっと名前が出てくるジェイダーは、フロストバック山脈の北ウェイキング海に面した港町でフェレルデンに最も近いオーレイの都市である。ちなみにジェイダーはハラムシラルよりも東に位置しているが、デイルズは栄光の時代からオーレイ領であり現在は国として成立していないので注意。例えばかつてハラムシラルはデイルズの首都であったが、現在はオーレイの1都市にすぎない。
デイルズについてはこちらを参照:http://dragonage.wikia.com/wiki/Dales
Battle of Halamshiral †
- ハラムシラルにてシティエルフによる反乱が蜂起。
- そもそもの発端は、とあるエルフの子供がLord Mainseraiの馬車に石を投げつけ、この罪をかぶったLemetという商人(エルフ)が無惨に処刑されたことによる。この不当な行いに激怒したエルフ達がmien'harel(エルフ語で正義の意)を求めて反乱を起こした。セリーンの侍女ブリアラはこれを受け、Mainseraiを暗殺してエルフの怒りを鎮めるように提言。セリーンもこれを了承し秘密裏に処理させようとした。
- 編者注1:ハラムシラルについて:http://dragonage.wikia.com/wiki/Halamshiral
デイルズのかつての首都で現在はオーレイの一都市であるハラムシラル(Halamshiral)は、ウェイキング海の南を走る大帝国街道沿いにある街。フェレルデンとの国境にほど近い場所に位置する。
古の時代(テヴィンター暦参照)にエルフの土地として成立したデイルズを目指して、それまで奴隷階級だったエルフが「長き旅路」という大移動を展開。「ハラムシラル」とは「the end of the journey(旅の終わり)」という意味があり、文字通りこの大移動の終着点として建設された街である。
ちなみにハラムシラルにはウィンターパレスという王室御用達の避寒地があり、ロケーションの一つとしてDAIにも登場する。
- こうした動きの中、ギャスパール大公がGrande Royeaux Theaterである演目を上演させる。その演目とは、アンドラステがテヴィンターとの戦いを途中で放棄したのはシャータン(当時の奴隷解放軍のリーダーでアンドラステと共に戦っていたエルフ。テヴィンター暦参照)を取り戻したからで、マフェラスの裏切りは自ら招いたものだとする、史実とは異なる脚色が施された内容だった。(注:演目ではシャータンはアンドラステの恋人と描かれ、暗にセリーンとブリアラの関係を想起させるような内容だった)
またギャスパールはエルフと親交の深いセリーンでは今回の暴動を鎮められないといった噂を流布し、セリーンのエルフに対する対応を批判。
こうしてオーレイ国内ではエルフに対する女帝の対応の甘さを指摘する声が加熱し、ブリアラを使って秘密裏に対処しようとしていたセリーンは、体面上エルフへの強硬手段を取らざるを得ない立場に追い込まれたのである。
- このような経緯から自らオーレイ軍を率いハラムシラルに向かったセリーンは、民家に火を放ち抵抗する者には容赦ない態度でこれに臨んだ。一方で秘密裏に行動していたブリアラの捜索にはSer Michelと数人のシュヴァリエをあたらせ、名目上は逮捕しつつ彼女の安全を確保した。
ところがエルフの制圧がまもなく終わろうかという時になって、ギャスパール率いるシュヴァリエがセリーンを急襲。セリーンの部隊は総崩れとなり大混乱に陥った。からくも難を逃れたセリーンはSer Michelと共に戦場を後にし、信頼のおけるLady Serylに救援を求めるべく一路ジェイダーへと向かった。しかしギャスパールがあちこちに見張りを配備していたためセリーンはこれを断念。何とかしてヴァル・ロヨーに戻るしか道は残されていない状況に追い込まれてしまう。
- この混乱の最中、Ser Michelによって逮捕されていたブリアラの方はギャスパールの捕虜となっていた。この時ギャスパールは自分の側につくようブリアラを説得するも彼女はこれを拒否。その後ギャスパールの元から逃亡したブリアラはFelassanと共にセリーン一行と合流する。
セリーンと合流したもののブリアラにはハラムシラルでのエルフに対する行いに対してセリーンに裏切られたという気持ちがあった。そこで一行はヴァル・ロヨーへの帰還を援護してもらうよう要請するべくデイルズに向かう。セリーンはもしこの申し出をデイルズが受けてくれるのであれば、その対価としてシティエルフの一層の自由を約束するつもりでいたのである。
- ブリアラが合流したもののジェイダーへの道が絶たれヴァル・ロヨーへ帰還するしかなくなったセリーン達は、こうしてデイルズへと向かった。
その後一行はThelhenという伝承者が従えるVirnehnというデイルズの部族に遭遇。そこでデイルズとの交渉に及んだものの、伝承者のThelhenは彼らの要請に一切耳を貸そうとはしなかった。デイルズにとって彼らの計画やシティエルフのことなどどうでもよく、セリーンとギャスパールが争って共倒れになればデイルズが再び彼の地を取り戻しやすくなるとして、セリーン達を処刑するかギャスパールに引き渡すか議論しだす有様だったのである。
- 当時のVirnehnにとって唯一の関心事はエルフの過去(エルヴェナンのこと。エルフ暦参照)を取り戻すこと。エルヴィアンの機能を復活させるべくImshaelという古の悪魔をフェイドから召喚し、stone circleで閉じ込めつつこれに接触を図ってエルヴェナンの情報を探っていた。
- 編者注1:エルヴィアン(Eluvians)について:http://dragonage.wikia.com/wiki/Eluvian
DAOでも少なからず描かれ、DA2ではメリルがこの存在に取り憑かれ、DLC「Witch Hunt」ではモリガンが主人公の前から姿を消す例の鏡、それがエルヴィアンでありエルフ語で「seeing glass」という意味がある。エルヴェナンの遺産ともいえるこの鏡は、遠隔地からの通信と移動を可能にする一種のボータルで、現在の魔法とは異種(要するに古代エルフ)の魔法によって成立していたとされる。
- デイルズのキャンプでこうしたやり取りが繰り広げられる一方、エルヴィアンの秘密を解き明かすべくVernehnによって召喚されていたImshaelが、ブラッドマジックを使ってSer Michelに接触。
「Michelの体をホストとして自分に差し出すなら、エルフの血をひくというMichelの情報を偽造してやろう」と狡猾にImshaelが誘惑してくる中、Michelは同時にエルヴィアンの情報も入手する。Imshaelが明かした内容は、エルヴィアンの機能を復活させるにはKeystoneが必要だがエルヴィアンのネットワークを取り戻せれば誰に気づかれる事なく一瞬で目的地にたどり着ける、というものだった。
- こうしてセリーン一行はデイルズを抜け出しエルヴィアンを目指すことになった。
しかしこれはImshaelとの取引に応じることでもあり、一行はImshaelからKeystoneを受け取ったものの、解放されたImshaelはVernehnの部族を虐殺したのである。
- Keystoneが手に入るとSer MichelはImshaelを再びフェイドへ戻そうとstone circleを破壊しようとした。しかしこれはImshaelの罠で、逆に彼がstone circleを破壊してしまったために封印が解けImshaelを解放することに繋がった。
- またImshaelの虐殺もあってVernehnの部族は全滅してしまったが、唯一生き残ったのがMihrisというエルフ。
ヴァラスリンがまだ彫りたての彼女は若いながらも当時伝承者Thelhenの第一弟子で、彼女が命を繋いだのはMihrisを生かしておく方が後々面白いことになるとImshaelが考えたため。デイルズから抜け出す際にSer Michelは数人のデイルズを殺していたのだが、そのうちの一人がMihrisの恋人だった。
- 編者注:ヴァラスリン(Vallaslin)とはデイルズ特有の顔に刻むタトゥーのこと。エルフ語で「血の紋様」という意味。詳細はこちら。
- 一方その頃のギャスパール大公はセリーンの行方を追っていた。セリーンの死が確認されない限り自分がオーレイの皇帝に即位してもこれを不服とする者がいることを承知していたからである。
セリーンを捜索中に彼はVirnehnの唯一の生き残りであるMihrisを発見。その後も捜索を続けエルヴィアンの次元にまで足を伸ばしたギャスパールは、そこでモンスターに襲われていたセリーン一行に遭遇し意図せず彼らを救出した。
- セリーン一行がエルヴィアンの次元にいた理由は、エルヴィアン内にある主室(main chamber)にてKeystoneをアクティベートする必要があったため。
またセリーンとギャスパールの両グループは、道中の障害に対処するために主室に辿り着くまで一旦休戦協定を結び、互いに協力することにした。ちなみにギャスパールはこの道中で、味方として同行していたDuke Remacheが休戦協定を破ってセリーンを殺害しようとした際、この不名誉な行いに憤慨し即座に彼を処刑している。
- 両一行がエルヴィアンの主室に辿り着くと、セリーンとギャスパール両者の決着は決闘に委ねられた。
こうしてオーレイ帝国とエルヴィアンの所有をかけ、ギャスパールとセリーンのchampionであるSer Michelが対峙。しかし他の者が見守る中にあって人知れずこれを妨害する者がいた。Lienne de Montsimmar(オーレイの貴族だが背教者の女魔道士。ギャスパールの庇護のもとセリーン捜索に同行していた一人)とMihrisの二人がMichelにスペルをかけ、当初優位に立っていたSer Michelは劣勢に陥る。これに気づいたブリアラはLienneを殺害し、ハンデが払拭されたMichelはとどめの一撃をギャスパールに与えようとした。
- ブリアラがLienneを殺した時、彼女はMihrisが実はImshaelに取り憑かれていることにも気づいた。Felassanは「セダスでより大きな変革が起きる」といって悪魔にこの騒動から身を引くよう提言し、Imshaelもこれを受けMihrisの身体を解放してエルヴィアンの一つを使って姿を消す。その後の行方が小説で判明することはなく、Ser MichelがImshaelを追跡するつもりだというくだりが小説の最後で描かれるのみ。
- Ser Michelがギャスパールにとどめを刺そうとしたその時、これに割って入る者がいた。ブリアラである。
セリーンからKeystoneを盗みだしていた彼女は、エルヴィアンはエルフのものだと主張し(ギャスパールを殺さずに)Michelに剣を置くよう促した。ブリアラに貸しのあったMichelはこれに応じ、一方のセリーンはブリアラの説得を必死で試みるものの、ブリアラはエルフの運命をセリーンに任せられないとして奪ったKeystoneを返上することを拒んだ。こうしてエルヴィアンを手にしたブリアラによって、Michelとギャスパールはヴァル・シェヴァンへ、セリーンはヴァル・ロヨーへと転送されたのである。(注:ヴァル・シェヴァンはヴァル・ロヨーの東、クンバーランドとのほぼ中間あたりに位置する)
現在 †
- セリーンはその後ハラムシラルのウィンターパレスに姿を見せ、ハラムシラルを治めるComte Pierreに改めて忠誠を誓わせた。
- 一方自らが治めるヴァル・シェヴァン近郊に現れたギャスパールの方は、その後の内乱に備え軍備を増強中。
- Ser Michelはその後、共にヴァル・シェヴァンへと転送されたギャスパールと言葉を交わし今後我々はどうなるのかと問いかけた。ブリアラの提言に屈して役目を果たせなかった自分は処刑されるかもしれないとぼやくMichelに対し、ギャスパールはMichelのような屈強な戦士こそシュヴァリエの鏡だとして彼の出自を気にかける事もなくこれに応じた。ギャスパールと別れたMichelは、残る人生をもはやセリーンのchampionsとしてではなくImshael捜索に費やす意向を見せている。
- 一方のブリアラの方は、オーレイのシティエルフの地位向上のためにエルヴィアンの再構築にあたっている模様。ミリアスはデイルズのためにエルヴィアンの秘密を共有させてくれと頼み、ブリアラもデイルズがシティエルフに協力するならこれに応じる構えでいる。
- 以上のように小説Masked Empireで描かれているオーレイの内乱は、Mage-Templar Warと同様に現在も進行中である。
セリーンは自分を支持する者には紫を着用せよと布告しつつ平和会談を目的に舞踏会を開催。その舞台になるのが他でもないウィンターパレスでありDAIではロケーションの一つとして登場する。
ちなみにオーレイの内乱についてDAIの公式でも紹介しているページがある。
関連ページ †
グランドゲーム
分類 †
【あ行】
【ストーリー・年表】